多汗症
症状や原因
多汗症とは、特に暑いわけでもなく、運動をしたわけでもないのに、多量の汗をかく症状です。多汗症は2つに分類されます。
全身性多汗症は、甲状腺機能亢進症(バセドー病)、急性リウマチ、糖尿病、結核など、代謝異常や内分泌異常、循環器や中枢神経の疾患に関わっていることが多く、検査が必要になります。
- 多汗症への対処・治療方法
多汗症の治療方法は様々あります。
●外用薬
塩化アルミニウム液は「汗止め液」とも呼ばれており、汗を出す汗管を閉塞することにより発汗細胞に直接働きかけます。
●ソフピロニウム臭化物(エクロックゲル5%)
原発性腋窩多汗症(わき汗)の治療に新しい塗り薬【エクロックゲル】が承認されました。
保険で処方できる、初めての腋窩多汗症外用薬となります。
作用機序:わき汗はエクリン汗腺という種類の汗の腺から出ており、この汗腺は交感神経からでるアセチルコリンという物質を介したシグナルを受け取って汗を出します。
エクロックゲルはこのアセチルコリンによるシグナルをブロックし、過剰に出る汗を止めます。
使用方法:1日1回、両脇に塗るだけの簡単操作です。
使用開始後、6週間かけて徐々に効果が現れます。
→ 参考 ワキ汗治療ナビ(外部サイト)
●内服薬
内服薬の種類には、抗不安薬、抗コリン剤があります。交感神経抑制剤は、汗が分泌される原因となる、交感神経の乱れを整えるために使用され、抗不安剤薬は、緊張時に伴う多汗症を緩和させるために使用されます。抗コリン剤は、大量の汗を放出させる原因となる、アセチルコリンという、伝達物質を抑える薬です。
また、多汗症の症状に効果のある漢方薬があります。自分の身体にあった漢方薬を服用するとよいでしょう。
●ボツリヌス菌注射
多汗症治療の注射には、神経の末端から出る神経伝達物質である「アセチルコリン」の分泌を抑制する働きがあります。アセチルコリンは交感神経の末端で発汗を促しているため、このアセチルコリンの分泌を抑制することにより、汗の量を減らすことができ、症状を改善します。
(注入可能な部位)両わき・手・足・うなじ・おでこ など
*多汗症の中でも重症の方は、保険が適応されます(脇のみ)。
★ボトックス注射の手順(例:脇の場合、施術時間 約15分)
①施術2時間前に、麻酔クリームを注射部位に塗布(自己塗布でも可)
②施術前に、麻酔クリームを拭き取りボトックス注射開始
(基本、脇の場合は片側 5分必要)
③注射終了後、患部に外用薬を塗って終了
④当日からシャワーは可、3日間のみシャワー後患部に軟膏塗布
⑤施術後3-4日後に、汗の分泌が減少
⑥1週間後、再診・終了